朝の来ない家

【ネタバレ感想】朝の来ない家|歪な男女に光が差し込むまでの切ない物語

今回ご紹介するのは、歪・愛情・赦しが交差するエロティックサスペンス漫画「朝の来ない家」

筆者の池上竜矢先生は「キミガシネ ‐多数決デスゲーム‐」の作画担当されている経緯で知ったのですが、池上先生が描かれていた漫画・朝の来ない家かなり重い話だけど面白いと聞き、購入しました。

 

…そして読んだ結果、最初の数ページでエロスなシーンが来たと思ったら、途中から良い意味で雲行きが怪しくなり、家族って何だろう、赦し(許し)とは?など考えさせられることが多くある読了感を抱き、多少(?)のエロスが大丈夫なストーリー重視タイプな漫画好きさんに薦めたい!!!と思った気持ちを綴ってみました。

読み終えると今、自分に寄り添ってくれている人への気持ちがいい意味で変わるかもしれません。

 

※本ページは「朝の来ない家」のネタバレありレビュー記事です※
(核心的なネタバレは避けています)
(作中には、性的なシーンがあるため苦手な方はご注意ください)

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【解析】朝の来ない家

登場キャラクター

下倉 航平[しもくら こうへい]
絵本作家を目指す30~40代の男性。昔は敏腕会社員だったらしい。
妻に出て行かれ、娘・まみと二人暮らし。
家政婦としてさくらを試用した初日に関係を持ち、歪ながらも愛し合うようになるが…

結城 さくら[ゆうき さくら]
黒髪ロング・巨乳の清楚系な20代女性。
家政婦募集の張り紙を見て下倉家に来た。
航平と少しずつ良い感じになっていく…と思われたが、とんでもない秘密を抱えている。

下倉 まみ[しもくら まみ]
航平の娘。小学生。
非情に気が強く、大人びている。
母親が理由を告げず出て行ってから心を病んでしまった過去があり、父親とある物の存在に救われた。

ストーリー・魅どころポイント

歪な皮切りで心を通わせる二人の不穏でエロティックな関係

物語は、妻に出ていかれ、デビューできない絵本作家見習いを続けている男・下倉航平と、ある理由で航平と関係を持とうとする不思議系美女・さくらが綴る、歪な純愛物語となっています。

 

母親のいない家庭を補うため、家政婦を募集する航平の元にやってくるさくら。
さくらは家事スキルが皆無でしたが、気難しい娘・まみと相性が良いため、航平は本採用を決めようとした矢先…

出会った初日にさくらから積極的に誘われ、体の関係を持ってしまいます。
10歳以上年下の美人に迫られ、そのまま交わってしまったことに罪悪感を持つ航平。
その後も、航平とさくらは何度も同じことを繰り返すことに…

 

一見、男性向け書籍のような、羨ましい展開。
しかし、事はただのご都合なものではありませんでした。

 

さくらは交わり後、「お父さん」とつぶやくこと
加えて、航平に対して何らかの企みがあるようで、家政婦として採用面接にくる数日前、やたらと航平のことを近所に聞きまわっていたこと

 

二人の形容し難い、ゆがんだ関係はどんどん増していき、爆発一歩手前まで訪れていました。





航平の離婚理由と刻まれた心の傷

「”そうしなければ”耐えられなかった」

妻に出ていかれた後、ある事情で社会人復帰をせず絵本作家を目指す航平。
しかし、現実は決して甘くはありませんでした。

 

別居中の妻・早紀からは「道楽」と馬鹿にされ
担当からは「児童向けには向かない作品」と一掃される始末。
もちろん、収入はなく、貯金を切りくずす日々を過ごしていました。

そんな生活が続いているせいか、ある場所(普通なら問題なく行けるところ)に行くと自己嫌悪でリアルにゲロるという精神的な不安定さが刻まれているほど。
※航平がそうなった理由の詳細は創作経験のある人にはかなり刺さるやつ

 

暗い、夜のような時間を重ねる中、航平はさくらと出会い、救われ、一人の男性として好意を抱きます。
(さくらを意識するあまり、航平に気がある女編集者から仕事という餌を出しながら誘われても断ってしまうほど)

…さくらが壮絶な過去と残酷な事実を抱えているとは知らず。

さくらの壮絶すぎる秘密とは?二人が歩む終着点

「はじめて、父親と呼べる人に出会いました……」

 

ミステリアスさと天然がまじりあった不思議な女性・さくら。
彼女は航平をある人物と重ねて愛していました。

 

『ある人物』とさくらが過ごした、温かくも狂った時間。
さくらがある人物のために行った狂気の行動をした理由は航平と同じで…

 

「そうしなければ…耐えられなかった」

 

さくらが航平に告げる真実は背徳的で残酷で身勝手。
そして、愛の有無以前に、欺いて利用した事実があった。

 

湧き上がった好意を歪な現実で汚された航平が選ぶ選択とは?
さくらの航平に対する「本当の」気持ちとは?

夜を歩き続ける男と孤独な女の終着点はどこなのか!?

「朝の来ない家」
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【感想】序盤のエロであんな壮絶話&温かい結末と予想できた人いた!?

最初こそ、航平がキレイで天然入った巨乳なお姉さんと関係を持ってイチャイチャ…だったのに、途中から少しずつ雲行きが怪しくなり、さくらの過去が判明した辺りで一気に化け、ラストは「家族」「癒し」「赦し」について考えさせられるハートフルなオチになるなんて思わなかったよ!!!

エロ描写多くても大丈夫・重い設定あり・それらをしっかり回収する物語が読みたい人にはかなりヒットするかと!

 

さくらが航平とのコミュニケーションが性交多めだったのも読者へのサービスなどではなく、唯一の家族だった義父との関係があったからこそだと思うと辛い。
(あと、ぼかされてるけど幼いころから母親にアレを強要されてたっぽいので経験豊富だったと思われる)
彼女にとっての『赦されるための行為』がそれだったと思うと。

 

さくらの義父の隆生さんは、回想見る限りガチの聖人(悪く言えばお人よしで優しすぎたのかも)で、さくらと椿(さくら母)のことを本当に愛していたからこそ、裏切られて壊れていくのが居た堪れなかったし、さくらが赦されたいと彼と歪な行動を決行してしまったのが何度見ても胸糞で、元凶が制裁されないのが凄くもやる。
いや、あんなことでしか生きていけないんだから、どこかで男に捨てられて野垂れ死んでることを願わずにはいられない。

 

航平、さくらの過去を知った直後はショックの余り、自分の絵本に対する言葉と同じこと(そうしなければ赦されなかった)を語るなと思っていたのに、その感情に引きずられず、さくらを受け入れたシーンはめちゃくちゃかっこよかった!
作中やたらともてる理由、すごくわかる……!

 

お互いの歪な部分を知り受け入れて、新たな関係を築けた航平とさくら。
それが出来ずに終わってしまったのが、航平と早紀夫婦だったのかもしれない。
(さくらと早紀は、形は違えど父親の存在ありきで航平との関係があったんだよなーと思うと運命すら感じる)

 

正直、早紀が家を出て行った理由はかなり自分本位だし、まみの心の傷を考えると許されない行為だと思うんですが、一言「嫌な奴」とは言いたくないんですよね。
父への想いがこじれまくってたみたいだし。
(ただし、早紀の父親は終盤の描写を見るにあまり愛情は無かった可能性も…社会人として責任を取らせたある意味、公平性を持つ人物の可能性もありますが)

そんな早紀は最後に手痛い報いを受けますが安易なざまあ!ではなく、己の非を自覚し、航平同様、夜が明けたように新たな未来へ進むという描写が凄く絶妙でした。

 

最後に、さくらのアパートに住むガラの悪い近隣女性、さくらが言えなかった秘密のヒントを口にしたお陰で(当人は嫌味・さくらイビリで言ったんだろうけど)航平の気持ちが切り替わったと思うとめちゃくちゃ重要人物ですよね。
むしろ恋のキューピットだったのでは!?
個人的に彼女が隠れたVIPだと思っております。

 

 

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