「許せない気持ちを理解できるのは…私しかいないんだ」
ネタバレありの内容ですが、核心的な内容は避けております
木と一時的に別居状態にしつつ、将来を考える陽は
『浮気した夫を許せるのか』『お腹の子供はどうするのか』
…と、二重の悩みを抱えていた。
医療機関、母親、匿名掲示板…
様々な相手へ相談をするが、返ってくるのは「子供」を優先すべき言葉。
理屈は分かっていても、子供の存在で自身の結婚・過去の選択を蔑ろにされた陽は憤り、錯乱しながらも答えを出す。
そして、加害者である木も将来に対する答えを出し、陽に告げるが……
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Contents
【解析】はじまらない結婚 12話
登場キャラクター
陽[よう]
別居後、子供のこと、裏切った夫への感情に苦しむ。
木から再構築をしたいと言われるが……
木[もく]
陽を裏切った男性。
自身を全否定して良いからと陽に再構築を望む。
ストーリー・魅どころポイント
陽と木、それぞれの望みと答え
「オレの全てが否定されても…オレは陽と一緒にいたい」
別居をして数日後。
木が陽へ出した答えは『再構築』
どれだけ自分を責めてもいいから、これからも一緒にいたいと告げます。
しかし、陽の答えは別の物でした。
「……それで私が幸せだと思うの？そんな苦痛を選ばせるの？」
もし、木を許せたらきっと幸せになれるのかもしれない。
子供には“両親”が必要なのかもしれない。
けれど辛い思いを抱えながら一緒にいたくない。
木が自分を苦しめるのなら共に生きれない。
陽は自身の想いを伝えると離婚届を取り出します。
「それでもあなたは一緒にいたい？」
裏切ってしまった最愛の人の答えを聞いた木の返す言葉は……
星の思惑通りに見えてそうでない終わり方が印象的でした
とうとうやってきてしまった最終話。
これまでの描写を読む限り、再構築を選んでも陽の気持ちは晴れない・何かがきっかけで感情が爆発するのでは？と感じてはいたものの、思っていた以上に爽やかな別れエンドで驚きました。
陽と木の結末は一見、星が望んだ展開に見えますが、誠実性のある綺麗な形での別れだし、木は子供に会わせて貰えるようだし（再構築については分からないけど場合によってはあるのかもしれない）なにより、星の入れる余地なんか全く無かった・未来があるのを見ると、そうでないのかなと感じました。
そう思うと、陽の決断とそれを最終的にしっかり受け入れた木…どちらも良選択だったのかと。
木が陽に離婚の件を言われた際、ごねたり感情論で有耶無耶にしないか心配でしたが、彼も彼なりに成長したんだなとつい感じてしまうシーンは非常に印象的でした。
不倫発覚後の態度（1話～）は他人事っぽかったり無責任だったりで散々ツッコミを入れた読者でしたが、木が己の非と罪を自覚し受け入れているのが分かる描写では変化的な物を感じ、涙腺が緩みました。
番外編や単行本化した時でいいので、木の独白（と陽と別れたその後）はやっぱり読んでみたいなあ…
また、初期から気になっていた住谷→陽の関係はドロドロせず『木や住谷に頼る所は頼る』と決めた陽。
決して縋らない、逞しい選択で、母親として陽個人としての強さに尊敬の念を抱きました。
住谷も最終話を見る限り、陽の主張は尊重してくれそうだなと。
彼は散々怪しいだの星と繋がってるだの疑ってしまったので申し訳ない気持ちでいっぱいです…
最悪なタイミングでの浮気をテーマにしたにも関わらず、変にダラダラドロドロさせない、メインキャラの感情の落とし所をしっかりつけていてくれている点が非常に好みだった故、木村イマ先生の他作品を是非読んでみたいと思った読了でした。
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