
どんなに馬鹿にされても、あたしは『いい人』に徹する。
後悔したって、善行を積んだって、過去の汚点がなくなることは無いのだから。
尾崎衣良先生の手がける苦いけれどメッセージ性の強いビターな恋愛をテーマにしたオムニバスコミック「てのひらに秘密をひとつ」
犯罪とは異なる『罪』を犯した女性たちが、もがきながら結末へ行く描写が魅どころとなっています。
1話では、『いい人』に徹する余り、同僚だけでなく後輩からもいいように扱われる女性の話。
影で馬鹿にされようが、行動を変えない、主人公・沙季が経験した後悔とは?
挽回できないほどの罪を重ねてしまった彼女を救う言葉は存在するのか!?
- 苦さが多いながらも、ちょっと報いのあるラブコメが好き
- 不倫を美としないストーリーが好み
- 女性同士のギスギス、社会人ならではな闇部分も堪能したい
※本ページは「てのひらに秘密をひとつ1話/恋に落ちるその日まで」のネタバレありレビュー記事です※
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Contents
【解析】てのひらに秘密をひとつ「1話/恋に落ちるその日まで」
登場キャラクター
出水沙季[いずみ さき]
主人公。社会人の清純系女性。
社内では人当たりの良い存在もとい、都合の良い存在を徹底している。
皮肉を言われたり、偽善者と称されても止めない原因は過去の過ちが原因のようで……
高尾野[たかおの]
沙季と同じ会社で働く男性。
スペックは高いものの、デリカシー皆無かつ、歯に衣着せぬ性格のため、女性社員からは嫌われている。
帖佐 マミ[ちょうさ まみ]
女子力が高い沙季の同僚。
仕事・プライベート共に沙季を頼りつつも影では見下している。
妻子持ちの男性と不倫関係中。
ストーリー・魅どころポイント
(どうでも)いい人を貫く女性の生き様
「出水さんって、いい人だよね」
「まあ、いい人って、どうでもいい人って意味でもあるけどね」
出水沙季は、社内で「人がいい」と評価され、周囲から頼られていました。
ミスをした後輩がいれば、一緒に謝り、後輩以上に怒鳴られ、事情のある同僚の仕事を代わりにやったり、落ち込む相手を時間度外視で慰めてくれることから何かあれば沙季を頼れば良い…と言われるほどに。
訳あり男性社員の高尾野からは皮肉を言われ、普段頼ってくる人間たちからは影で見下され、不倫中の同僚・マミに親身になれば逆ギレをされ……
返ってくる物が無い…むしろ、搾取され続ける沙季が『いい人』止めない理由は過去の過ちが原因でした。
(どんなに「善行」を積んだところで、過去は無くならない……)
責任感ゼロな男が紡いだ沙季の過去
沙季は大学時代、既婚者の男性と交際していた過去がありました。
当時、沙季を気にかけ説得してくれた友人からは縁を切られ、その後に仕切り直そうと交際した男性とは婚約までいったものの、相手家族の身辺調査で不貞の過去が露呈してしまい破談。
そんな経緯から沙季は『無意味』と分かっていても、僅かでも自分を良く見せるために『いい人』を演じていたのでした。
……いつか自分が報われるために。
自分に酔った元彼の出現と同僚による過去曝露…沙季は幸せになれないのか?
これ以上、バチが当たりたくないと必死に生きる沙季。
しかし、彼女には更なる罰がやってきます。
「君が幸せにやっているか、ずっと気になっていたんだよ」
事情を察していない・反省の色無し・自身に酔いまくっている元彼の再来。
そして、元彼との会話を偶然、マミに聞かれてしまう展開に。
マミは「既婚者の彼氏と旅行に行くのでアリバイ作りに協力して欲しい」と沙季に頼み、断られてた(沙季は既婚者と付き合って後悔しているので過去を伏せて説得した)ことで逆恨みしており、最悪のタイミングで沙季の秘密を暴露してしまいます。
周囲から軽蔑され、見捨てられていきそうな沙季でしたが、
「んなわけねーだろ。このひとそんな恋愛経験豊富に見える?」
「そもそも自分に思い当るフシがあるんじゃね?」
助けてくれたのは意外すぎる人物で……

【感想】自己嫌悪で動けない人には火の玉ストレートな発言が効くのかもしれない
あがいても、あがいても出口に辿り着けない沙季の姿がとても痛々しかったです。
不貞自体、確かに駄目ですし、当時は周りの意見も聞かずに関係を続けてしまっていたようですが、殺人をしてしまったかのような自己嫌悪っぷり(そんな自責があるため、周囲から都合よく使われるのを受け入れてしまっている)で居た堪れない気持ちになりました。
そんな沙季を都合よく使っては、影で馬鹿にするマミたちの行動がもうリアルで…
沙季の元婚約者(はじめに付き合った既婚者の方)は、自身がノーダメージだったせいか、めちゃくちゃ自分に酔ってる感や、どこか他人行儀なところがTHE・不倫男だなと。
加えて、爽やか笑顔なところに至ってはホラーだよ……!!!!
なんでお前、良いことしてるみたいな面してるの!?
優し過ぎるが故の性格らしいけど、あそこまでいくとサイコ●スだよ。
出てこない奥さんが凄く不憫に思えてしまう。
沙季を色々な意味で助けてくれた高尾野は、人前で部下をどなる時点で地雷・性格がかなりアレで現実にいたら関わりたくない感があるのですが、人の目や過去が気になりすぎて雁字搦めになっている沙季にとっては、最善の相手だったのかも。
過程を気にしないって口では言えるけど、高尾野みたいにあそこまで気にしないのは、なかなか出来ないので。
火の玉ストレート級に捌いてくれたからこそ、沙季の気持ちが変わったと感じずにはいられません。
あと、高尾野が終盤で沙季に告げる「過去は変えられないから図々しく生きろ」は名言だと勝手に思っているのでぜひ見て欲しいところ。
そう思うと高尾野って沙季のこと、前から好きだったのかなと思ったり。
(前半での嫌味もある意味、指摘というか当人なりの心配にも感じる。沙季自身、元々仕事が出来て高尾野にとっては好感持てる相手だろうし)
また、オマケページの1コマでは、沙季の元彼既婚者がメン●ラ気味に再登場して笑いながらも恐怖しました。
こいつ、尾崎先生の描かれている『深夜のダメ恋図鑑』に出てきも全然違和感ねえ!!!!!!
あと、高尾野のツッコミが的確かつツボで彼の株がめちゃくちゃ上がったのはここだけの話。
因みに、逆ギレ不倫ガールのマミは3話でまさかの主人公枠にて登場します。
彼女の意外な一面を見ると、今回で感じたヘイトが少しだけ和らぐかも!?
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