
真実を話せば、彼女は申し訳なさで死にそうな顔になるだろう。
……だから、目的も真意も今は話さない。
家族に愛されなかった薄幸少女と、冷徹な男が紡ぐ『幸せ』がテーマの和風ファンタジー作品「わたしの幸せな結婚」
前回は、実家で醜いからという理由で泣くことすらできなかった美世が、ゆり江からの暖かい言葉を返されたり、清霞からデート(?)の誘いを受けるなど、幸せな場面がありながらも、美世の中では『自身の無価値さ』と『清霞とゆり江に嫌われたくない』という矛盾した想いに悩む姿が印象的な内容となっていました。
また、美世の母親に関する話や引き継がれるはずの能力に関する情報も描写あれ、和風ファンタジー要素的な楽しみも色濃くなってたようで…!
美世の無能力は後々、開花するかもしれないのが楽しみなところです。
6話では、とうとう清霞と美世の初デートがはじまります。
不安と少しの期待で気が気ではない美世と、彼女に自然と惹かれている清霞は楽しい一時を過ごせるのか!?
- 世間では冷徹と言われる男の裏側描写が刺さる
- 自虐な少女が些細ながらも少しずつ変わり、幸せを願う話が読みたい
- 当人たちは無自覚だけど、第三者は察してるシチュが大好物
※本ページは「わたしの幸せな結婚 六話・初めてのデヱト(前半)」のネタバレありレビュー記事です※
▼すぐにご購入・試し読みをしたい方はこちら▼
(ネタバレ無しで、試し読み/ご購入リンクまで移動できます)
(雑誌系は対象作品の試し読みができないことがあります)
Contents
【解析】わたしの幸せな結婚 六話「初めてのデヱト(前半)」
登場キャラクター
斎森 美世[さいもり みよ]
幼少期(母の死後)から家族に虐げられ続けた女性。
清霞と共に街へ赴き、彼の優しさに触れ、惹かれていく。
しかし、一方で自身に相応の教養や容姿があればと悔やむ板挟み的な心情が描かれている。
久堂 清霞[くどう きよか]
対異特務小隊の隊長にして、美世の婚約者。
ゆり江から聞いた美世の現状と、自身の意思で美世のための着物を仕立てて貰う。
当人は、美世に対して特別視していないと言い張るが、第三者から見ると、そうでもないようで…
ゆり江
清霞に幼い頃から仕える親代わりの使用人。
美世が古い着物をぬっては使い続けていることを知っていたが、当人のために気づかぬふりをしていた。
五道[ごどう]
清霞の側近の男性。軽い立ち振る舞いだが、実力はかなり高いらしい。
堅物の上官が女性を連れて仕事場へ来たことに、意味深な笑みを浮かべる。
ストーリー・魅どころポイント
緊張が少しずつほぐれていく初デート
緊張の中はじまった、清霞と美世の初めてのデート。
まずは、車を置くために清霞の職場へ寄ることに。
軍本部へ行くと知り、委縮する美世でしたが、清霞が所属する対異特務小隊は『異質な立ち位置』故に本部とは離れた場所にあり、建物も学校の校舎のような類でした。
途中、清霞は側近の五道と遭遇。
五道は、清霞が女性を連れ、共に歩いていることに驚きつつ興味を持っている様子。
その後、街に足を運んだ清霞は美世に「行きたいところはあるか?」と問われます。
(まさか私の希望を聞かれるなんて…)
困惑し答えられない美世に対し、清霞は攻めることなく、小さく微笑み、自身の買い物に付き合って欲しいと返します。
清霞へ惹かれながら自身に嫌悪する美世
美世がつい、街の景色に見とれてしまったことに罪悪感を感じれば頭を撫でながら
「私への迷惑は考える必要はない」
と言いってくれ、歩く時は、歩調を合わせてくれる。
そんな清霞を横目で見ながら美世は
「この人のどこが冷酷無慈悲なのだろう」
と世間の評判を疑いつつ、自分が清霞に釣り合う人間だったなら、ずっとついていくのに……と切ない想いを抱きます。
ただただ、死ぬことを待っていた少女が再び希望を持つ瞬間でもありました。
矛盾した心に悩む美世と、歩み寄る清霞の距離
悶々とする美世が連れてこられたのは、久堂家が贔屓にている呉服屋。
清霞はある用事があるため、美世は店内で彼を待つことに。
呉服屋の女将は、『あの清霞』が女性を連れてきたことを喜び、清霞の目的である『美世に似合う品(着物)』をいくつか提示します。
清霞が美世の着物を買いにきたのは、己の心情変化と、ゆり江からの報告が理由でした。
美世は、ボロボロの古着を縫っては直しを繰り返している。
そのせいで元から綺麗では無い着物は、農民ですら着るか怪しい類になっていた程。
本当は止めたかったが、当人の気持ち(知られたくない)を考慮して知らぬふりをしていたと話す、ゆり江。
清霞自身も美世の『良家が絶対に着るはずのない着物』が気になっていたようで新調しようと至ったのでした。
今までの結婚候補たちには、何かを買い与えようと思いもしなかった変化を意識しながらも
(……彼女に特別な意味があるわけではない)
と言い聞かせる清霞。
想いを巡らせていた矢先、女将と着物を見ていた清霞の目に入ったのは、桜色の着物。
(美しい淡色だ………この色は似合うだろうな)
女将から今から仕立てると、季節に合わなくなると言われるものの、清霞は
「来年の春にまた着れるしな」
と、答えました。
そんな清霞を見た女将は、美世を絶対に離してはいけないと語り出します。
彼女の好意と商売っ気が交った言葉に、清霞は珍しく表情を緩ませました。
無意識に、これからも美世と歩み寄りたいという想いの現れなのだろうか…それとも……?

試し読みはこちら
各サイトでは、1~7話が一気に読める単行本版も購入できます
(書き下ろし小説など、単行本版限定特典あり)
【感想】清霞は惚れてないと思っていても、第三者からは完全に察しられているのが愛おしい
清霞が無意識に美世にどんどん惹かれてるのが、さりげないながらもニヤニヤ必須というか、いいぞもっとやれ!的な気持ちになり、読了感最高な回でした。
当の本人と美世は気づいてないけど、五道や呉服屋の女将が察してるのがたまりませんね。
清霞が美世の着物選んでる時なんか、完全に恋する乙女(※清霞は男です)じゃん!!!と勝手に盛り上がってしまいました。
そして、美世は美世で、清霞が世間的に冷たいって言われてることに違和感を持った上、自分が彼に似合う人間だったなら…と切ない気持を馳せていて……はがゆい!!!
しかし、少し前ならば、自虐しすぎて、想いを抱くことすらしなかったと思うので、地味かもですが、大きめな進展に感じました。
(でも、買い物関係や街を歩いてる時はネガティブ気味になってるのでその辺りも、いつか改善してくれると嬉しい)
ゆり江さん、美世の着物と自分で縫って直していた件について分かっていたけど、美世の心を重視してあえて指摘しなかった(止めなかった)優しさが好き。
この時点で斎森家の人間より10億倍、徳が高いのが分かりますね。
清霞も言ってましたが、美世のボロボロ着物、農民でも着るか怪しいらしく、改めて斎森家が雑に美世を嫁に出した意図が謎だなと。
久堂家って知れば知るほど、凄い家っぽいし…やっぱり清霞が久堂家が持てあましている異端ポジションだったのでしょうか?
呉服屋の女将は、清霞のことを案じつつも、商人としての面もあって、凄く良いキャラクターでした。
作中のキーである「また」出てきて欲しいところ。
特に、美世を清霞が愛と財で磨くべき!って話すシーンは彼女の性格が表れている神場面かと!!
清霞が美世の着物選ぶ時に放った「来年の春に~」と、女将が最後に「またのお越しをお待ちしております」は、清霞がこれまで結婚相手候補と破談になった経緯を知ってると、かなり大きいキーワードですよね。
だって、清霞にとって、次もまた同じ女性と~はなかったわけですし。
(それをある程度察しているから&久堂家とは縁が長いからこそ、女将が最後、笑顔で送りだしたのかも)
新たに登場した五道は、首を痛めているイケメンポーズが印象的でしたが、今度、どう動くか期待大です。
清霞の側近として振る舞うのが多めなのか、いわゆる、ライバルポジションになるのか…
美世にしっかり寄りそう清霞が好きな身としては、後者でないと良いなあ……
(一応、美世に惚れてる枠は清霞以外に幸次がいるし)
試し読み・お得に買える電子書籍サイト紹介
『わたしの幸せな結婚』は
- 1話ずつ読める単話版
※2021年8月現在、18話まで公開中
※単行本より最新話が早く読めるメリットあり - まとめて一気に読める単行本版
※2巻(~14話)まで購入可能
※書き下ろし特別エピソード(小説)収録
の2つから購入可能です。
単行本版には特典小説が収録されているので、新規さんは単行本版(+単話版で未収録分を購入)がオススメです。
また、2巻は限定特典が40P超ある特装版も販売中!
電子書籍サイトでは、常に紙媒体版ではあり得ない大幅な割引・還元キャンペーンが行われています。
(例:50%オフ、ポイント60%分還元、ログボで1,000円分のポイントGetなど)
情報を知れば知るほど、好きな作品をたくさん読める&作者さまへ貢献可能!
現在、お得なキャンペーンをしているのは↓こちら↓
(こちらは随時更新しております)
■Amebaマンガ■
- 初回限定!100冊まで全作品が半額で購入できる超お得キャンペーン実施中
■DMMブックス(旧:DMM電子書籍)■
- 毎日更新!最大100%OFFでゲットできる割引キャンペーン
- 2021年10月の毎週金曜日は少年少女漫画ほぼ全部30%還元