
なあんにもできない、かわいそうな、おねえさま。
久堂さまと釣り合うはずなく、捨てられてると思ったのに……
どうして、まだ、追い出されてないの?庇う人がいるの?
家族に虐げられ続けた幸薄い少女と、訳アリ冷徹男の『幸せ』がテーマの和風ファンタジー作品「わたしの幸せな結婚」
8話では、清霞からのプレゼントにお礼がしたいと悩む美世とゆり江の穏やかな会話、プレゼントの材料を買いに行く美世について行きたいデレ度が強い清霞に和み、ほのぼの回かと思いきや、最後の数ページでどん底に落とされる内容でした。
長年、美世を苦しめて来た香耶、もちろん再会を喜ぶ優しい言葉などかけるはずもなく…
しかし、香耶の傍には『美世を守る』と誓っている幸次もいるから、何とかなるかも?と思いきや、そうでもないようで。
少しずつ良い意味で変わっていく美世の表情が再び曇る辛い回ですが、裏では清霞がかなりの快進撃をしているので、ぜひ、読んで欲しい話となっています。
- ヘヴィーな展開に耐えながら薄幸少女が幸せになる話を見守りたい
- ご都合一辺倒でない話が好み
- 様々な人物の情(良い物・悪い物どっちも)が交ったストーリーを読みたい
※本ページは「わたしの幸せな結婚 九話・嫌いなのは…」のネタバレありレビュー記事です※
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Contents
【解析】わたしの幸せな結婚 九話「嫌いなのは…」
登場キャラクター
斎森 美世[さいもり みよ]
実母の死後、家族から虐げられ続けて心を病んでいた薄幸少女。
追い出さる形で久堂家に嫁いだことで環境が一変。
清霞とゆり江のお陰で少しずつ、自虐の強い性格に光のある変化が見えたが、香耶との再会を機にトラウマが再発し、心を曇らせてしまった。
久堂 清霞[くどう きよか]
美世の婚約者にして、対異特務小隊の隊長を務める男性。
過去の経験が原因で異性不信だったが、美世へ惹かれている様子が描かれている。
9話では、斎森家へ赴き、美世との結婚話を進める最中、ある条件をつきつけ、大切な婚約者を傷つけ続けた人間たちのプライドを深く傷つけた。
ゆり江
清霞に使える親代わりの使用人。
美世を馬鹿にする香耶に対し、角が立たない程度に抑えた対応をし、その場を華麗に治めた。
辰石 幸次[たついし こうじ]
美世の幼馴染で唯一の味方だった男性で現在は香耶の夫。
ある事情と『美世のため』に香耶と婚約した経緯がある。
しかし、街で美世と偶然再会した際、香耶の罵倒を中途半端にしか止められず、決心が形になることはなかった。
斎森 香耶[さいもり かや]
美世の異母妹。両親の影響を受け、姉を虐げ続けていた。
街で再会した美世へ暴言を吐き、委縮させるが、中途半端な幸次の言葉と、ゆり江の反撃で不味い後味となる。
実家に帰った際、運命の出会いをしてしまい……
斎森 真一・香乃子[さいもり しんいち・かのこ]
美世の実母・澄美の死去により結ばれた元恋人夫婦。
香乃子は澄美を逆恨みしているために、香耶と共に美世を虐待。
真一は美世に無関心なため、傍観していたが、そのツケを清霞によって払わせられることになる。
ストーリー・魅どころポイント
望まぬ再会。変われたと思った美世はトラウマに支配され…
ゆり江を待っていた途中、声をかけられる美世。
その声は、自分を長年、貶していた相手・香耶と、幼馴染の幸次でした。
「おねえさまじゃない。野垂れ死んでると思っていたわ」
「どうせ、久堂さまには捨てられたんでしょ?可哀想」
一方的に美世を罵倒する香耶を幸次が止めるものの、その場は変わらず。
美世は、反論しようとしますが、何年もの間、斎森家で香耶や継母にされたことが身に付き過ぎ『謝る』という、最もしたくない行動をしてしまいました。
「かわいそうな、おねえさま。地べたに這いつばってお願いするなら、お金くらいあげましょうか?」
せめて泣くことだけはしたくない、と震える美世。
そんな矢先、戻ってきたゆり江によって流れが変わります。
美世が久堂家で使用人として扱われていると勘違いしている香耶にゆり江は
「美世さまは、わたくしの主の奥方になられる大切なお方です」
と毅然と対応。
ゆり江の言葉から、美世が大切にされているのを悟ったのか、最終的に香耶は久堂家を馬鹿にするような捨て台詞を吐き去っていきます。
しかし、美世は自分が変われていないこと、ゆり江に失望されたであろうという後悔で心を曇らせ、強い嫌悪感を抱くのでした。
(嫌い…こんなわたしなんて……大嫌い)
斎森家へ赴く清霞。彼がクズたちにつきつけた条件とは?
場面は変わり、斎森家の一室。
そこには、清霞が客人として座っており、美世の両親である真一、香乃子と今後について話をしていました
「あなたの娘の美世と正式に婚約し、結婚を考えている」
更に、清霞の言葉は続き……
「我々のような人間の結婚は相応の利害によって成立する。だが、私はあなた方へ何らかの還元をすることに抵抗がある」
明らかに敵意と憎しみを帯びた言葉の数々に意味を察せない真一。
諦めを抱いた清霞は一気に豹変し『斎森家が今まで美世に何をしたか知っている』と告げます。
そして、結納金を多めに貰いたければ
『美世に対し、心から謝罪しろ』と条件をつきつけることに。
現実問題、可愛がっていた香耶の能力は、そこまで高くはなく、婿養子の幸次とその家も同じ状態。
これから先、斎森家は衰退する旨を自覚していた真一でしたが、美世への謝罪はどうしてもしたくないようで…
嫉妬に狂う香耶が遭遇した運命(?)の出会い
斎森家に戻った香耶は、美世が久堂家で酷い扱いを受けていなかったことと、自分を完璧に庇わぬ幸次に憤りを感じていました。
怒り狂う香耶を諌めようとする幸次でしたが、美世の話題をされると、本能的に幼馴染寄りになってしまうようで逆効果に。
その最中、偶然、香耶は真一たちと話を終えた清霞と鉢合わせします。
香耶の本性と事情を知っている、清霞は冷たく軽蔑した目で香耶を一瞥。
しかし、その冷たい瞳は、逆効果だったようで香耶の心をときめかせてしまう展開に。
(何て……綺麗な人)

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【感想】香耶、斜め上の勘違いして清霞をロックオンした模様…悪い予感しかない
絶対に修羅場回やん…いや、幸次がいるし、途中でゆり江さん帰ってくる可能性を信じてるぞ……!と思ったら、幸次が予想を遥かに超えて役に立たなかった……
美世が言い返せず、前のように香耶へ謝ることしか出来ない件は、長年、無理やり染みつけられたトラウマが数日で消えるのは難しいことを痛感する描写にも感じました。
(清霞と幸せに結ばれても、相当の間は消えないレベルの物だと思ってる。香乃子に至っては頭部に物なげつけたり、犯罪クラスのことしてるの知ってるからな!!!)
でも、泣かずに耐えたり、清霞やゆり江さんのことを想って頑張ったのは凄いと思うんだ。
本人的には、何も変われてない自分に対して怒りしかないんだろうけど……辛すぎる。
ゆり江さんの返し方はスマートというか、相手を逆上させずにという意味では絶妙でやっぱり凄い人だなと改めて思ったり。
恐らくですが、清霞と斎森家の事情について調べているから、本心としては、もっと強く言い返したかったのかも。
でも、それをせず、主の格と美世の心を優先できるのがゆり江さんの徳の高さですよね。
むしろ、最後に久堂家をめっちゃディスった香耶の方が大人げないやつ。
9話内の香耶関係を読んでいて『無知は罪』をこんなにも感じられるとは思いませんでした。
ゆり江は香耶の本性多分察してるし、清霞は100%ゴミを見る目で見ただけだし、幸次は内心、香耶を憎悪してる現状に加えて斎森家が傾きかけてるのを素で分かってないんだよなあ。
でも、終盤の幸次との喧嘩で「頭を撫でて甘やかしてくれれば許すのに」と独白する部分を見ると、精神年齢がとても低い、ある意味、真一・香乃子夫妻の被害者なのかも。
だからといって、美世への態度が酷過ぎて同情が非常にしずらい子ではあるんですが。
清霞にひと目惚れた描写は今後、絶対悪い方向に行きそう。
それにしても、幸次…お前、もっと香耶を強く止めてくれよ。
結果的に香耶のプライドも傷つけてたし、優しいを通り越して優柔不断だった印象がぬぐいきれません。
せめて、香耶の前だけでは、もう少し上手く立ち回れないのかと思いつつも、内心はかなり嫌ってるのが判明してるので、本心が受付けないのかも。
ただ、彼の場合は自分と香耶の家の問題があったりなどで大きく動けない可能性や、何らかの策を考えているのを期待したいので、まだ最終ジャッジは控えたい心情。
(清霞は実家と離れた家にいれたり、信頼のおける使用人や部下がいたり、職場で強い権限あるなど、環境が全然違いますし)
そして、清霞がとっっっっってもありがたい快進撃してて、数少ないスッキリポイントでした。
美世を逆恨み虐待してた香乃子はともかく、真一があんなにも美世に謝るのを嫌がるのは何か理由があるんですかね?ただ単にプライドの問題?
香乃子と同類で澄美に逆恨みしてる故なのか?もっと深い事情があるのか……
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