
もし、この男が美世を見捨てたら…
美世を殺して、自分も死ぬしかない
力の無い自分が、大好きな彼女に安らぎを与えられる方法はこれしかないのだから。
家族に虐げられ続けた幸薄い少女と、訳アリ冷徹男の『幸せ』がテーマの和風ファンタジー作品「わたしの幸せな結婚」
ここ数話で、ようやく美世が幸せの道を歩み始めた矢先に嫉妬に駆られた香耶が暴走し、とんでもな事件が起こってしまいました。
(香耶がひと目惚れした清霞と結婚したいので、美世を拉致して婚約破棄を無理やり言わせる作戦)
強く出れない夫・幸次や、何でも言うことを聞いてくれる父・真一ですら加担しなかった香耶の自分勝手な作戦に協力した人物とは…?
また、今回は初めて清霞と幸次が対峙するシーンもあり、双方の美世に対する想いが垣間見える重要な描写も堪能できます。
どちらも情はある。けれど、方法は違っており……
更に、ラストの清霞があることをするシーンは、色々な意味で盛り上がり、続きがすぐに読みたくなる絶妙さとなっています。
- 未来を望む男と、終末を望む男の対比が明確に、残酷に綴られる描写が好き
- 様々な人物の思惑や欲望が渦巻くストーリーが好み
- クールなキャラクターが静かに怒り狂うシーンが見たい
※本ページは「わたしの幸せな結婚 十四話・それぞれの思惑」のネタバレありレビュー記事です※
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Contents
【解析】わたしの幸せな結婚 十四話「それぞれの思惑」
登場キャラクター
斎森 美世[さいもり みよ]
家族から虐待を受け続けていた薄幸少女。
清霞と結婚したい香耶と、薄刃の能力を欲する辰石実により拉致されてしまう。
久堂 清霞[くどう きよか]
美世の婚約者にして、対異特務小隊の隊長を務める男性。
ゆり江から美世が拉致された件を聞き、幸次と共に助けに向かう。
14話終盤では、彼がどれだけ怒り狂っているかが色濃く描かれていた。
斎森 香耶[さいもり かや]
美世の異母妹。母・香乃子と共に姉を虐げていた。
自分より恵まれている美世に嫉妬し、ひと目惚れした清霞との結婚を望む。
義父・実と手を組み、美世をさらって婚約破棄させる計画を実行した。
辰石 幸次[たついし こうじ]
美世の幼馴染。現在は訳あって香耶の夫。
香耶と父親の外道な行為を止めようとするが、失敗に終わってしまう。
その後、ある人物の助けで清霞と美世を助けに行く最中、彼の美世に対する一途でどす黒い面が判明する。
辰石 実[たついし みのる]
辰石家の当主。美世の能力欲しさに、香耶の協力者になる。
過去、息子の幸次が虐待される美世を救おうとしたのを止めていたが、14話でその理由が露呈される。
ストーリー・魅どころポイント
美世誘拐の真相と犯人の下衆さ
ゆり江から美世が誘拐されたと聞いた清霞。
……犯人は分かっている。
辰石家の当主・実だ。
しかし、確証がないため、乗り込んでも足元をすくわれるかもしれない。
加えて、肝心の美世がどこに拉致されたかも分からない。
そんな清霞の元に、意外な来客が。
「あなたに頼むのは筋違いだとわかっている…でも、僕だけじゃ美世を助けられない」
助けを求めに来たのは美世の幼馴染・辰石幸次でした。
幸次は香耶から「清霞と結婚したいから、婚約の取り替えをしてくれ」という
狂った頼みを拒否したものの、美世の能力を欲していた父・実が香耶に加担。
(実が手を回し、美世を拉致→香耶がおどして美世に清霞との婚約破棄を言わせる)
更に、父親の外道な本性を聞いた幸次は、二人の作戦を止めようとしましたが、
実の異能力に歯が立たず、失敗に終わったとのこと。
事情を聞いた清霞は、幸次と共に美世が監禁されているであろう『斎森家』へ向かうことに。
大切な人を守れなかった幸次が望む「終末」
大切な幼馴染を守りたい一心で本心を押し殺し、行動していた幸次。
しかし、香耶の暴走を止めることができず
更には、父親の実が、長年、美世を助ける行為を何かと理由をつけ、止めていた真相を知り、絶望します。
「斎森が美世の価値に気づかれると厄介だった。美世が孤立していた方が都合が良かったのだ」
美世の虐待を助けるなと頑なに言い続けた父の真意は、人間がすることではない外道の類。
それに気づけず、従ってしまった幸次は、後悔と己の無能さに打ちひしがれます。
(美世を本当に守りたいなら、もっと相応の努力をすべきだったんだ……)
その後、兄である一志の助けで清霞の元へ助けを求めに。
清霞の能力自体は、自分より遥かに強く、信頼できるものの、彼が美世をどう思っているのか分からずな幸次は、斎森家へ向かう最中、ある決心をします。
美世に安らぎの“終末”を与える決断を。
(もし…美世がこの男に見捨てられ、救いの無い人生を歩むのならば……)
最愛の人を奪われた清霞の怒りと望む「未来」
幸次から美世の件を聞いた清霞は、彼を連れて斎森家へ向かいます。
「ずいぶん、落ち着いているんですね…婚約者がどんな目にあっているかもわからないのに」
不安のあまり、嫌味に近い言葉を放たれても顔色を変えぬ清霞。
清霞の冷徹な反応に幸次は美世が愛されているのか不安を生じますが……
美世がいると思われる斎森家に着いた途端、事態は一変。
「普通に声をかけても、あけてもらえるか…」
「問題ない」
幸次の問いに短い答えを返す清霞。
彼は、一切の警告をせず、能力を放ち門を破壊。
大切な美世と“未来”を過ごしたい。
愛する婚約者を傷つけた人間たちに、慈悲は一切ありませんでした。

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【感想】幸次がつきつけられる現実が悲しい
最後に拝める清霞の怒りMAXシーン(無言の斎森家門大破壊)が非常に最高で、盛り上がったものの、幸次が次々につきつけられた現実描写が居た堪れなくなりました。
清霞と幸次って元々の能力や立場・環境(清霞も家族と事情があるかもですが、美世が来る前は信頼できる使用人と二人だけ暮らしなので日常生活の度合いもかなり違う)が異なり、清霞の方が断然、行動しやすいので、一概に幸次がへたれ・無能って言うのも違うのかなと思いました。
確かに優柔不断な面もあったし、香耶の暴走全然止められてないし、本人いわく、別の努力もすべきだと思うほどの非もあったようですが、これで幸次を下げまくるような感情にはなりたくない。
美世の心が開くまで懸命に寄りそったり、行動(花の件を調べて再会させたなど)に移した清霞は凄いと思うけど、環境が幸次より恵まれているのもありますし。
けど、殺すことで美世を救うことはできる、は自分本位だし、その考えの時点で清霞の方が美世を幸せにできるという…14話、辛すぎる。
ぐだぐだ語ってしまいましたが、『美世の未来』を考えるなら、美世は清霞と結ばれて欲しいし、幸次はこの機に辰石家と決別して良い人と出会って欲しい心情ですね。
あと、幸次の兄こと一志、前に少し出てきた際、めっちゃ強キャラ感出てましたが、やっぱり強い(確信)
彼が幸次に手助けした真意とか今後語られるのを期待しております。
幸次の思い詰めたヤンデレ気味思考を見越してサポートしてたらかなりホラーですが。
それにしても、清霞の無言のブチ切れ描写は、物凄く盛り上がりました。
今まで異性が苦手だった彼がどれだけ美世のおかげで変わったかも分かって萌える。
美世の件で困惑して泣くゆり江さんが見てて辛かったので、早く幸せな日常に戻ってほしいところです。
そして、次回は『清霞、怒りの斎森家』が拝見できるかと思うと楽しみすぎますね。
いっそのこと、香耶だけじゃなくて真一と香乃子夫婦にも制裁してくれないかな……
そして、痛い目にあうであろう香耶が、次にどう動くかも個人的に期待してたりします。
(更に性格悪くなるか、自分の非道に多少なりとも気づくのか)
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