
彼とはバーで知り合って、自然と関係を深めていった。
愛されている。そう思った矢先に既婚者だと曝露され……
「本当に好きだから…これからも会って欲しい」
そう言ったくせに、都合が悪くなった途端、あっさりと捨てにかかる。
あたしは所詮、『そういう対象』としか見られない女なんだ。
尾崎衣良先生の手がける苦いけれどメッセージ性の強いビターな恋愛をテーマにしたオムニバスコミック「てのひらに秘密をひとつ」
犯罪とは異なる『罪』を犯した女性たちが、もがきながら結末へ行く描写が魅どころとなっています。
3話「アンバランス」では、1話の主人公・沙季の過去を曝露して窮地に追いやろうとした悪女・マミのストーリーが綴られています。
1話にて既婚者と交際している描写があったマミ。
実は彼女も、苦い経験を味わっているようで。
彼女が沙季に敵対心を抱く理由は、ある意味、やつあたりで、自他認める『女』の部分が原因であり…
そんな『女』である部分に対するマミの意地を見ると、彼女の印象が変わるかも!?
- 嫌な女のちょっと意外な一面が描かれるストーリーが好み
- 良い人ではないかもしれない、けれど、意地のある女性がツボる
- サイドストーリー的な立ち位置話を読むのが好き
※本ページは「てのひらに秘密をひとつ3話/アンバランス」のネタバレありレビュー記事です※
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Contents
【解析】てのひらに秘密をひとつ「3話/アンバランス」
登場キャラクター
帖佐 マミ[ちょうさ まみ]
1話「恋に落ちるその日まで」で沙季に不倫旅行のアリバイ作りを頼んだり、彼女の過去を人前で曝露したりなどした女性。
既婚者と交際中だが、相手から段々と適当に扱われていることに苛立ちを生じている。
自他認める『いかにも女性感を出しているタイプ』で、それで損をしていることも。
加治木[かじき]
マミ、沙季と同じ会社に勤める男性。
気さくなタイプで、マミから仄かな恋心を抱かれていた時期があった。
過去、マミが沙季に対して敵対心を生じるきっかけを作ってしまっているが本人は気づいていない。
出水 沙季[いずみ さき]
1話の主人公。実は過去の自分が、今のマミと似た状態なのが判明。
加治木から好意を抱かれている。
ストーリー・魅どころポイント
悪女の見えざる一面~淡い恋心編~
「何が純粋だよ…あんたのお気に入りの出水沙季ちゃんは昔、不倫してたんだよ!」
沙季が元彼(既婚者)と話しているのを偶然見てしまったマミ。
彼女は沙季の弱みを握れたという優越感と同時に、過去のことを思い出します。
それは、マミが淡い恋心を抱いていた相手・加治木と会社で交えた会話。
「出水さんって良いよな、純粋そうで」
「反対に帖佐はさ、女!って感じが強いんだよな」
過去の過ちから『いい人』を演じている沙季に好意を抱いている加治木。
当時のマミは、顔には出さなかったものの、沙季と比べられ、下げられたことに対して少なからずの落胆を味わいました。
そんな失恋未満の経験をしていたマミですが、現在は既婚者と交際しており…
悪女の見えざる一面~使い捨て不倫編~
加治木との恋が実る以前に終わってしまったマミですが、バーで知り合った彼氏と
順調に関係を進めていました。
何度も行為をして、会う度に良いホテルをとってくれ、優しくしてくれて……
しかし、ある程度、付き合って分かったのは、彼が既婚者であること。
「オレ、マミのことが本当に好きで……これからも会って欲しい」
彼氏からの頼みに、マミは本当に自分が好きならと『ある条件』を口にします。
それは、ケジメが付くまで行為を止めようという内容で。
マミの身体目当てだった彼氏は、その条件を提示されてから、少しずつ、距離をとってくるようになりました。
沙季にアリバイ作りを頼み断られた不倫旅行についても、乗り気でない様子で。
「それなら、無理して行くことないだろ。疑われ損じゃん」
都合よく消費されるだけな存在価値
旅行の件が白紙になった翌日から、彼氏は会うのはもちろん、電話での会話も嫌がるように。
(結局、彼は「女」としてのあたしにしか用はないと……)
沙季の過去(不倫)を飲み会でばらすものの、高尾野に論破され、自身が『悪』になってしまった帰り道。
彼氏から着信拒否されていることに気づき、落ち込んでいる最中。
見知らぬ男性に突然抱きつかれる事態に。
相手は興奮しており、マミの身体目当て。
「帖佐はさ、女って感じなんだよ」
思い出すのは、ちょっと好きだった加治木からの評価。
自分は周りから都合のいい消耗品程度の女扱いされているのかもしれない。
そして、本当に大事にされるのは、沙季みたいな女性……
ひと気のない場所で襲われたマミがとった行動は、女ならではのもので。

【感想】悪女ポジだろうが、意地を貫き通すスタイル…嫌いじゃない
1話で沙季に逆ギレ同然&過去曝露をするなどし、読者のヘイトを集めた、マミのまさかなサイドストーリー!
マミはマミで苦労したり比較されたりとしつつも、女であることをやめない強い意志がある面が知れる面白い話でした。
1・2話に比べるとやや短い話ですが、かなり内容が濃くて読み応えありました。
改心するわけでもなく、沙季に謝罪することもないのですが、理不尽で辛い思いをしても強く生きようとする様は好感が持てる点だったり。
1話で高尾野が沙季に言った「(過去は変えられないから)図々しく生きろ」とリンクしてる感じも併せて好きですね。
加治木とマミのやり取り、過去には沙季と比較され落ち込み、今回はさりげない言葉救われ…と、マミにとって、加治木の存在感が大きいのが分かる描写が良いですね。
たぶん、加治木が例の「沙季>マミ発言」は素で言っちゃっただけで、マミを下げるつもりなかったようにも感じましたが、マミからしたら落ち込むよなあ…
今後、加治木とマミが恋愛方面に行くなら、その辺りは清算して欲しいし、マミ自身は沙季への態度を改めて欲しいかもしれない。
(また加治木が「沙季>マミ発言」したらそれはそれで修羅場になるかもだし)
マミの既婚者彼氏、行為の制限された時点であっさり距離置くのは露骨すぎて…
絶対に手慣れてるやつじゃん。
けど、沙季の既婚者彼氏みたいに自分に酔って再接触してくる感がない(関係が切れたらそれまで)部分に関しては良かったのかも。
沙季の既婚者彼氏は将来、メン●ラ化しそうで怖かったし。
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